あの日、キミが流した涙の先へ
『どうしたの?4番さん、そんな小さくなったりして』
今思えばわたし、初対面なのにすごく彼に嫌な顔をしていたと思う。
でも、今まで気にしないできたけど明らかにひっかかることがある。
あの日、なんで椎原くんはここにいたんだろう?
今日と違って学校のない日にどうして彼はここに現れたんだろう。
「いたいた」と言ってこっちに向かって歩いてくる足音がした。
声が聞こえたほうへ振り向くとそこには椎原くんの姿があった。
「ねえ、どうして椎原くんはわたしが大会の後ここに来た時にいたの?」
「唐突だね。何があったの?」
よいしょっと言いながら彼はわたしの隣に座った。
わたしはフルフルと首を横に振った。