未完成恋愛

【3】最後の夏休み

最後の夏休み。

やっぱ受験生は忙しい


それでも何とか時間ができた時は麻衣と会っていた。

会うたびにオレ達は唇を重ねた。
多分、上手ではないけれど…こうしてるウチにオレは少しずつ麻衣を好きになっていく気がしていた。



あの時までは。





あの夏祭りの夜。
昼間の暑さが地面に残り、夜になってもなお冷めることなくそれは夏祭りを盛り上げた。


オレも息抜きで、麻衣と待ち合わせをしていた。
ホントは友達との方が良かったんだけど…先に誘われたので仕方ない。


オレはまだ子供で
祭りは大好きだった。

待ち合わせ場所までを一人で少し歩き、出店を見て回る。
少しはしゃいでいたのかもしれない。


出店の終わり近くまできた。待ち合わせ場所はここからまだ先…


よそ見をしていたオレは人にぶつかった。
正確には…相手がぶつかってきたんだけど。


「すいませ…あれっ？岡崎?!」

「…村上…？」


偶然出会ったのは岡崎だった。


何でこんな所で？
なんで夏休みに会っちゃう？

よく考えてみると岡崎の家に近い。

祭りに来て…帰るだけだと思いたかったのに…


彼女の様子はその予想とは程遠いものだった