未完成恋愛
「ちょっ…大丈夫!?」

いきなり泣き出した岡崎にオレはオロオロするばかりだった。

どうしたらいい?

「…ごめ…ん…」

ここは人目につく事に気付いた。

「岡崎、ちょっと向こうに行こう。な?」

オレは岡崎の腕を掴み祭りの外に出ようとした。

「…痛…っ」
「…?!」

オレの目に信じられないものが飛び込んできた。

「…何だよコレ…」




アザだらけの岡崎の腕が浴衣の裾から覗いていた。
岡崎は慌てて腕を隠す。
「な、何が?」
「暗いから見えなかったとか思うなよ!何だよ、あのアザは!?彼氏にやられたのか?」

「…ちょっとぶつけただけ」

「ウソつくな!!彼氏なんだろ!?オレ話し聞くから…家に帰ろう?」

「ダメ!!」
「…岡崎?」
「家には…帰りたくない」

「…わかった」


多分…彼氏が来たりするんだろうなって思った。もしくは彼氏が家にいる。

オレは岡崎が落ち着いて話せる場所を探した。きっと人には聞かれたくない話しだろうから…店とかはマズイ。公園とか…?
虫がいるからオレがいやだ。この際オレの意見はどうでもいいんだけど。


「あそこ…しかないか」

オレは目前にあるホテルに入る事にした。
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