未完成恋愛
【6】ウワサ
『年上の彼女がいて、ホテルから出てきた』

その程度の噂らしかったが…
今はその程度だけど、これから先、岡崎の事がバレたりしたらマズイ…今のうちになんとかしないと。


でもどうやって?


「村上…大丈夫か?」

田上が声をかけてくれた。

「…ん。でもどうしようか考えてて…」

「あ~ウワサの元を探すとか?…ってもわかんねーよな。村上って結構有名だから」

「有名…って。まだ一年生なのに?」

「うん。三年の間でも可愛いって人気あるって先輩が言ってたし」

「そんな人気いらねーな…てかウワサは女が流したって思うか?」

「わかんねーな…でもさ、あのホテルって近くないじゃん?」

「そっか!オレいつもあのホテル使ってたんだけど…その辺に住んでるヤツか、自分もそのホテルに来たヤツだよな?」


「うん、うん、それあるかもな」


「今年の在学生名簿で探す?」

「…そうだな」

田上と二人で図書館へ向かおうとした時、クラスのヤツに声をかけられた。

「村上!客だって!」

「なんだよそれ」

「だって呼んでくれって言われたからさ」



教室の外に数人の…三年生らしき女のコがオレを呼んでいた。
< 27 / 49 >

この作品をシェア

pagetop