未完成恋愛
麻衣の質問の意味がわかんなかったオレは素直に聞き返した。

「なんにもって…何の事?」


麻衣は少し恥ずかしそうに答えた。

「だって…あたし達、付き合ってるのに…手も繋いだ事ないし」

「あ…そういう事か」

「重要でしょ?好きな人とは…キスとか…してみたいし…」

多分、オレから好きになったとかって言うなら、彼女に触れたいとかキスしたいとか思ったんだろうな…って思った。

「…キスした事あんの?」

「ないよ!!…あたし付き合ったのは先輩が初めてだし…」

麻衣は顔を赤くさせてうつ向いていた。
この事を伝えるのに一生懸命だったんだろうな。
…女のコにそんな事を言わせたオレが悪かった気がした。


キス…か



オレも初めてなんだけど…


上手くできるかなぁ?

オレは麻衣の手を握った。女のコの手って柔らかいんだなぁ…
急にオレもドキドキしてきた。


誰も居ない放課後の教室…初めてのキスをするには絶好のロケーションだったかもしれない。


麻衣がオレの目を見つめ…ゆっくりと静かに目を閉じた。

オレは…ちゃんとキスできるかどうかって事ばかりが気になって、ぎこちなく彼女の唇にオレの唇を近付けていった…
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