未完成恋愛
【8】再び出逢い
「じゃ…もう電話しないから。さよなら」

「…さよなら」


そんな言葉でオレ達は終わった。


別れなんてあっけない

キライになって別れた時も、仕方のない理由で別れなければならない時も

『さよなら』

の一言だけで終わる。それが悲しかった。

…あんなに愛し合ったのに
オレが大人になって彼女を守る男になろうと思ってたのに。

彼女は彼女なりに責任を取りたかったのは少しわかる。
だけど…オレも一緒にこの恋にケジメをつけたかった。

もちろん未来を信じてたんだ…



数日後

岡崎は教師を辞め、この街から居なくなった



オレは彼女と別れた実感もわかないウチに、気付けば二年になっていた。

適当にナンパしたり可愛い子に告られれば付き合ってみたり。
…でもどの子とも長くは続かなかった。


あんな恋はもう二度とできないと思う。


勉強も適当になり、順位もかなり落ちた。
来年…進級できんのかな?ってくらいヤバくて、すっかりやる気なんてなくなっていた。


今日は彼女と放課後デート。…と言っても昨日からの彼女。
とりあえずカラオケに向かう。

途中…見慣れた姿を


オレは見つけた。



「…岡…崎」
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