未完成恋愛
「…は…?何…言ってんの」

「先月…らしい」

「だから…何言ってんだよ?岡崎は結婚して…」


「それ…多分ウソだぜ?岡崎…ガンで死んだんだって」



「…そんなのウソだろ?だって…岡崎は彼氏と結婚して…」

「中学ン時の…物理の野田にこの前会って聞いたんだ」

「またどこかで教師やるって…言って…た」

「だいぶ前にガン宣告されて…治療の為に中学辞めたんだと、お前との仲を咎められただけじゃなかったんだと…野田が言ってた」

オレを驚かせようとして言ってるネタなんだ!そんな事…あるワケない!!
オレは…いつまでも信じられないでいた。

「…なんかの冗談なんだろ?!…なぁ?岡崎は結婚して…幸せになったんじゃないのか!?」

「村上!!マジなんだよ!オレ…野田に墓まで連れてってもらったんだ!!ホントに…岡崎はもう居ない…死んだんだよ!!!」




  『ゴメンね』


『蓮…幸せになってね』


彼女のあのコトバ

彼女の涙の理由を

オレは初めて理解した

彼女は知っていたんだ


…なにもかも全て


そして思い出す


岡崎と初めて愛し合った夜


三年前の今夜と同じ
あの暑い夏祭りの日だった事を…
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