未完成恋愛
「別に相談なんかないよ」

「え~?残念」

「何言ってんだよ。もう終わりでいい?今日塾だからさ…」

「あぁハイハイ。まぁあまり心配しないで勉強して。何かあったら相談にのるからね」

「恋愛関係だけだろ?」

「フフッ」


オレは岡崎の意外な一面を見た気がした。
普段は『先生』って枠の中でしか見ていない。でも先生にだってプライベートもあるし恋愛だってしてるし…


恋愛相談か…

オレは何も知らないから…相談なんかしたら笑われそうだと思った…。

なんでこんなに悩むんだろうな
イヤなら別れればいいんだけど、それもできない。

オレ…麻衣の事好きになったのかな…



 ――――――――


塾の間も時々考えてた

なんか…バカみてぇだな…オレ。

彼女なんか作るんじゃなかった。


夜10時。いつも塾が終わる時間。

他の子とかは親が迎えに来たりするけど、オレん家は迎えにくるような人はいない。大抵親は二人とも仕事してるし…高校生の兄貴はもちろん迎えになんてこない。

まぁオレも男だしな…

夜道は大丈夫ッス。


今日も家までの道のりをまっすぐに帰るハズだった…。

あの道に酔っ払いなんて居なければな。
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