未完成恋愛
「げほっげほっ…う~ん…気持ち悪い…」

その人物は居酒屋の向かいの道路のトコで吐いて座りこんでいた。

…酔っ払いか…しかも女かよ。
あんな女ヤダな


いつもならスルーして帰るオレ。だけど今日はちょっと違った。


「…よいしょ…っと…っとっ…きゃあっ!!」

「えぇ!?」

あの女コケた!!!

なんだよ~連れいないのか!?足にきてるし…危ねぇな~…


「ちょっと、お姉さん大丈夫?!」

「大丈夫ぅ~ありがとぉ~」

「ちっとも大丈夫じゃないから。どうすんの?そこの店戻ればいい?」

「ん?ん~ん…帰るのぉ…」

帰る…ってこの状態で?…やっぱ助けたからにはオレが送らなきゃ?
でも見ず知らずのオレが送っちゃマズくない?


「お姉さん………」
オレはお姉さんの顔を覗きこんだ。


……ん?



もしかして…



「岡崎…先生…?」

「む…村上ぃ?何でこんなトコにいんの~」

「そりゃこっちのセリフだ!!こんなに酔っ払って…他の先生とか生徒に見つかったらヤバくね?」

ってすでにオレに見つかってるし

「ん~…」

「…仕方ねーな…家どこ!?」

成り行き上、オレは岡崎を送らなきゃいけなくなった。
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