未完成恋愛
この酔っ払い相手に自宅の場所を聞き出すのは大変だった。

「コンビニの隣ぃ~」

「どこのコンビニ?!コンビニたくさんあんだよ!!」

「私ん家の隣のぉ~」

「アホかっ」


なんとか岡崎を連れて岡崎の住むアパートへとやってきた。

脱力してグニャグニャしてる女は重い!!最悪だった。普通に部活してた時より疲れたし

「着いたぞ!鍵は!?」

「バッグん中…」

「も~!!開けるぞ。…ほら中入れって」

「…ん~」

岡崎をなおも抱えてオレは部屋へと入らなければならなかった。

「…」

初めてはいる大人の女性の部屋…それでもどこか女のコっぽくて。キレイに整えられていた。
オレはちょっと居心地が悪くなり、早く家に帰ろうと思った。

ここまでくれば大丈夫だし。
酔っ払った女を道端にほったらかすのはまずかったもんな。

「オレ帰るから。大丈夫だな?」



立ち上がろうとしたオレの腕を…岡崎は掴んだ。


一瞬


何が起きたのかわかんなかった…


気付くと岡崎はオレに抱きついてきて…一言呟いた




「…帰らないで…」
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