学校のカイダン
「沙耶ちゃんありがとう...」

プールから未来ちゃんの左手しか見えなくなった。

「未来ちゃん!未来ちゃん!」

私は静かなプールの中で大声をあげて未来ちゃんを呼ぶ。

誰も返事はしない。

左手をはなす気なんてなかった。

私の右手が水の中につかっている。
< 112 / 144 >

この作品をシェア

pagetop