学校のカイダン
先ほど扉の目の前で止まった足音が未だに聞こえない。

それに由美の声らしきものも聞こえなくなっていた。

「出るなら今かもよ?」

私がいうと未来ちゃんもこくりと頷いた。

「けど、誰が開けるの?」

不意に私が聞くとみんな黙り込んだ。

「はぁ...私が開けるよ...」

ため息混じりな声で私は呟いた。
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