僕の好きになった人は
日常のなかに
その飲み会が終わって、私は少しばかり高揚していた。
何故だか分からないけれど、少しだけ高揚していて、いつもより車のなかではしゃいでいた。

悟さんがいつもより私の話に笑ってくれるから、私も嬉しくて、たくさんたくさんお喋りをした。


「類、今日は酔ってるの?」


信号待ち、悟さんが私の頭を撫でる。

「酔ってないよぉ。」

ふふふ、と笑いながら私が返事をすると、悟さんはまたおかしそうに口角を緩やかに上げた。

「なあに?」

「ん?類、可愛いなあと思って」


今日は何だかやけに甘い雰囲気が流れている。
お酒のせいなのか、なんなのか。

最近冷たかったのは、お仕事が忙しいせいだった。きっとそう。

私は運転する悟さんの肩にもたれかかって、小さく好きだよと呟いた。
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