きみのおと
まっさらなハチマキ。
それを見て、僕はなぜだかホッとした。
なんでそんな風に思うのかな。
「よぉし。なんて書こうかなぁ。千秋くんが頑張れるように想いを込めなくちゃね!」
そう言ってはしゃぐしぃちゃんが、とても愛しく思った。
・・・愛しく、なんて。
自分の思考に顔を染める。
「千秋くんもこっち座って書こうよ」
きっとしぃちゃんは、優しさでこうして言ってくれる。
しぃちゃんの想いと、僕の想いは一緒じゃない。
でもいいんだ。
こんな風に思える人ができただけで僕は十分。
「絵も書いちゃおう」
楽しそうにペンを走らせるしぃちゃんを見ながら、僕もハチマキにペンを走らせた。
“一緒に頑張ろう!”
全ての想いをその字に乗せて。