きみのおと
「しぃちゃん!」
「誰だよ、こんなところに立てかけてたやつ!」
榎並さんと芹川くんが慌てて駆け寄る。
周りの生徒たちもざわざわと騒ぎ立てる。
「おい!大丈夫か!?」
先生も騒ぎを聞きつけ駆け寄ってきた。
ポールの下から救出されるしぃちゃん。
「・・・った・・・」
意識はあるようで、痛そうに顔を歪めていた。
「大丈夫か、二ノ宮」
「大丈夫です。・・・咄嗟に頭は庇ったし・・・。でも、足ひねったみたいで・・・」
「そうか。先生におぶされ。保健室に行こう」
しぃちゃんは先生によって保健室に運ばれることになった。
「他のやつらは片づけの続きをやってろ。榎並、お前二ノ宮の友だちだったな。教室から鞄もってきてやれ」
「はい」