きみのおと
テキパキと先生が指示をだし、事態は収拾に向かっていた。
・・・何も、できなかった。
僕は、気づいていたのに。
あの時、僕がしぃちゃんに「危ない」そう伝えていれば・・・。
喋らないことで、困ったことなんてなかった。
黙っていれば、僕にはなにも関係ないって思ってた。
でも、そうだ。
いつだって、困った顔をしていたのは周りだ。
困って、迷惑をかけていたのは周りに対してだ。
僕は、そうやって自分を護ってきた。