きみのおと


「千秋くん!」



放課後まで待って、HRが終わった瞬間鞄を持ち千秋くんに声をかけた。
千秋くんはハッとしてガタガタと慌てた様子で鞄に荷物を詰め込むと鞄を引っ掴んで飛び出した。




「待って、千秋くん!」




追いかけっこのように後を追い飛び出して行く。
千秋くんは、思いの外逃げ足が速くて、あっという間に階段を駆け下りていく。


靴箱で追いつかなくちゃ!




靴箱で急いで上靴を脱ぎ、投げ入れるように入れるとローファーに履き替える。
ああ、まどろっこしい!



「千秋くん!待ってってば!」




玄関を出ると、千秋くんの背中を見つけ慌てて追いかける。
千秋くんは待ってくれない。


どうして・・・?




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