きみのおと
ヒヤッと、足首に冷たい感触にビクッとする。
顔をあげると、私の足首に濡れたハンカチを当てている千秋くんの姿。
とても悲しげな表情で、今にも泣きそう・・・。
泣きたいのは、泣いてるのは、私の方なのに。
「千秋くんのバカ・・・、私、何かした?・・・いけないとこあったなら直すから、ちゃんと教えてくれないとわかんないよ・・・」
コツッと千秋くんの肩を叩く。
まるで痛みを我慢しているかのような千秋くんの表情。
だから、痛いのは私の方なんだって。
「恥ずかしいから、移動しよ」
私が我に返ってそう言うと千秋くんは小さく頷いた。