きみのおと


「久賀くん、お昼食べよー」




亜衣が明るく声をかけ机を合わせていく。
千秋くんもその声で気が付き頷いて見せると机をこちらに向けた。




「いい加減、他で食えよお前ら」

「そんな事言って、ほら芹川くんも」

「うぜー」

「言いながらも、逃げたりしないじゃん」




すっかり自然と話ができるようになった芹川くんと亜衣の会話を聞きながら席に座る。
なんだろう、胸の中がモヤモヤする。




「そういえば、梅沢さんなんだったの?」




気になってた疑問は、亜衣が代わりに聞いてくれた。
千秋くんは私が挙げたノートを取り出しそこにペンを走らせる。




「ん?お昼一緒に食べないかって誘われた・・・?え、梅沢さんが?」




亜衣が読み上げながら驚きの声を上げる。
ご飯に誘われてたの?
どうして、突然・・・?




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