きみのおと


「千秋くん、それで・・・どうしたの?」



思わずそう聞いていた。
千秋くんはノートを自分の手元に戻すと再びペンを走らせる。




『しぃちゃんたちと約束してるからって断ったよ』




その文面を見て、少しホッとする。
そっか、断ってくれたんだ・・・。

でも、どうして突然そんな・・・。




「ほんと、調子いい話だよなー」

「え?」

「こいつが髪切って、ちょっとイケメンってわかった途端にこれだろ」

「え・・・?」




確かに、千秋くん髪を切って綺麗な瞳が見えるようになってそれは素敵だって思ってたけど。
暗いと思ってた千秋くんが顔が見えたらかっこよくて、態度をがらって変えたってこと?



「体育祭の前の日もモテてたもんな?」

「そうなの?」




なにそれ、そんなの知らない。




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