きみのおと


「ハチマキに応援コメントかいてって頼まれてたんだぜ、こいつ」

「へぇ!モテモテだね、久賀くん」



知らなかった・・・。

千秋くんは焦ったように芹川くんの腕を掴む。
そんな事で止まるような芹川くんじゃないし、芹川くんはすべてをペロッと吐いてしまった。



「そう・・・なんだ・・・」




ズキン。
なんだか、嫌だな。


私だけが千秋くんの良さを見つけたって思ってたのに。
それがみんなに知られ茶って、それで、そんな風に、千秋くんを好きになる人が増えたりしたら。



なんか、嫌だな。




あ、やだ・・・。
私、嫉妬してる。



ヤキモチだ、これ。




みっともない。
なんて心が狭いんだろう。



皆が千秋くんの良さを知ってくれて、千秋くんが皆に受け入れてもらえることは嬉しいことなはずなのに。
私だけが知っていたいなんて。



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