きみのおと
千秋くんの事が好き。
そう気づいてから、欲深い自分に気づく。
こんな私、千秋くんに知られたくない。
「おい?」
芹川くんの声にハッとする。
「なに般若みたいな顔してんだ」
「は、般若って、酷くない!?」
「ほんとのことだろ」
「余計に酷いよ!」
相変わらず辛辣な芹川くん。
でも、気が紛れてよかったかも。
でも、その後は少し千秋くんに対してぎこちなくなってしまった。
千秋くんは、なにも悪くないのに。
最低だ、私。