きみのおと


『大丈夫。僕がそうしたいから』



ああ、ほんと。
千秋くんはぶれずに優しいんだ。




「ありがとう。じゃあ、お願いします」




千秋くんの優しさを無駄にすることはできなかった。
正直、千秋くんと帰れる。
そのことがすごく嬉しい。

千秋くんは力強く頷いた。



ああもう。
だめだ。


最近、千秋くんの小さな動作一つ一つにいちいちキュンキュンしてしまう。
惚れた弱みってやつか!





「か、かえろっか!」





って言ったはいいものの。
すっかり、そのことに気づいていなかった。



傘が一つってことは、そう。
一つの傘に二人で入る。


所謂、相合傘だ!



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