きみのおと
「うち、ここなの。本当に上がっていかなくて平気?よかったらお風呂であったまってくれた方が私も安心だし・・・。あ、家族もいるし、心配しなくても大丈夫だよ!」
家の前までついて、改めて千秋くんに尋ねる。
このまま帰す方がいろいろと心配だし申し訳ない。
てか、家族もいるし心配しなくても大丈夫って、いったいなんなの。
言ってからバカすぎる発言に気づいて恥ずかしくなった。
「いや、でも、ほんと。あがってってよ」
そう言う私の言葉に、千秋くんは首を横に振る。
頑ななその態度に、それ以上誘えなくなった。
「わかった・・・。じゃあ、気を付けて帰ってね。帰ったらすぐお風呂入って温もってね」
心配でそう言うと、千秋くんはしっかりと頷いた。
それならあまり引き止めるのはよくないと私はそこで手を振って見送る。
本当に、大丈夫かな・・・。
かなり濡れてたし・・・。
心配だ・・・。