きみのおと


「あ、そう・・・。熱はだいぶ下がったんだけど、咳が酷くて、たぶん明日も休むことになると思うわ」

「そう・・・ですか・・・」



それってやっぱり、絶対に私のせいだよね。
無理にでも引き止めるべきだったんだ、やっぱり。



「あの、よかったらあがっていってちょうだい」

「え、でも・・・」

「千秋の学校での様子、知りたいし・・・」



そう言われ、断る理由もないしあがらせてもらうことにした。
学校での様子か・・・。

家でも、千秋くんは喋らないのかな。
そういうことも、私は何も知らない。

お母さんの会った時からの態度の意味も、少しはわかるかな。




「どうぞ、そこに座っていてね。お茶用意するから」

「あ、お構いなく・・・」



中はとても綺麗で、白を基調とした清潔感のある室内だった。
千秋くんの雰囲気にぴったり。


しばらくすると、お母さんがお茶とクッキーを持ってきてくれた。



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