きみのおと


もしかして、お母さん。
私の事千秋くんの彼女とか思ってるのかな。

だから、ちょっと対応が厳しいの?
やっぱ、息子の彼女って、気分いいものじゃないのかな・・・。

でも、だとしたら、誤解といた方がいいよね。
私は千秋くんの事好きだから、できたらそうなりたいと思うけど、千秋くんにとって私は友だちなわけだし。




「あ、あの。誤解されてたらいけないので先に言うんですけど・・・。あの、私、千秋くんの彼女とかそういうんじゃないので!」

「え・・・」

「だ、だから、その。心配、しないでください。その、今のところは・・・」




言っていて悲しくなって、予防線のようにそう付け足した。
確かに違うんだけど、完全に否定するのは自分の気持ちもないことにしてしまいそうな気がして・・・。




「ごめんなさい。そういう事を気にしていたんじゃないの。その、さっきも言ったけど、高校ではずっと先生がもってきてくれていたから。突然クラスメイトの方が来てくれて、少し動揺しているというか・・・その」

「あ、そうなんですね。すみません・・・。その、私、2年になって千秋くんと初めて同じクラスになったんです」

「え、あ、そうだったの・・・」

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