きみのおと


改めて自分の事をちゃんと説明しようと初めから話すことにした。
お母さんも、千秋くんの学校でのこと知りたがっていたし。
勝手に話していいものなのかわからないけど。


「それで、最近私が千秋くんと仲良くしてるから。先生がプリントを持っていくのを私に託してくれて。私も、千秋くんの風邪に責任感じてたし、それ以上に心配だったので引き受けて持ってくることになったんです」

「仲よく・・・?」

「はい。自分で言うのも変なんですけど、私、千秋くんの友だちで。まぁ、私が強引に友だちになってもらったんですけど」




今思い返しても、本当に強引だったと思う。
でも、今は千秋くんも嫌がってないと思うし、ちゃんと友だちになれてると思う。




「・・・っ、そう・・・。そうだったの・・・。あの子に、友だち・・・」

「え、あ、お母さん・・・?」




突然声を震わせ泣き出したお母さんに戸惑う。
え、私変な事言ったかな?




「ごめんなさい、取り乱して・・・。でも、嬉しくて・・・」

「嬉しい・・・?」



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