きみのおと
「千秋くん!元気になったんだね!」
「あ、よかった、久賀くん。おはよう。心配してたんだよ」
「おー、なんだ、復活か」
熱も下がって学校に行くと、皆が嬉しそうに迎えてくれた。
僕にも、こんなに暖かい友だちができたんだ。
「お前見た目もよわっちーのに、中身もよわっちーのなぁ」
「芹川くんと違って、繊細なんだよね!」
「お前、ほんと久賀びいきだな」
「芹川くんが意地悪だからでしょ!」
相変わらずのしぃちゃんと芹川くんの言いあい。
そこに僕が入れないことに、もういちいち嘆いたりしない。
入れなくても僕は、仲間に入れてもらえてるってわかってるから。
「千秋くん、気にしなくていいからね」
「そうそう。芹川くんの言う事なんて、聞き流しておけばいいよ」
しぃちゃんに続いて、榎並さんまでそう言った。
僕は笑って頷いた。