きみのおと



「千秋くん!元気になったんだね!」

「あ、よかった、久賀くん。おはよう。心配してたんだよ」

「おー、なんだ、復活か」



熱も下がって学校に行くと、皆が嬉しそうに迎えてくれた。
僕にも、こんなに暖かい友だちができたんだ。




「お前見た目もよわっちーのに、中身もよわっちーのなぁ」

「芹川くんと違って、繊細なんだよね!」

「お前、ほんと久賀びいきだな」

「芹川くんが意地悪だからでしょ!」




相変わらずのしぃちゃんと芹川くんの言いあい。
そこに僕が入れないことに、もういちいち嘆いたりしない。

入れなくても僕は、仲間に入れてもらえてるってわかってるから。



「千秋くん、気にしなくていいからね」

「そうそう。芹川くんの言う事なんて、聞き流しておけばいいよ」




しぃちゃんに続いて、榎並さんまでそう言った。
僕は笑って頷いた。




< 173 / 418 >

この作品をシェア

pagetop