きみのおと
「千秋くん、すっかり笑顔が出るようになったね」
しぃちゃんが嬉しそうにそう言った。
改めてそう言われると、なんだか照れくさくて俯く。
でも、それも全部、しぃちゃんや榎並さん、芹川くんのおかげなんだ。
『みんなのおかげだよ』
それが伝えたくてノートを取り出して書いて見せる。
皆はそれを見て、それぞれに笑った。
「あ、チャイムだ。座らなきゃ!じゃあ、千秋くん。またあとでね」
チャイムの音にバタバタと自分の席に戻っていくみんな。
こうして一緒にいることが、当たり前になっていくのが嬉しい。
またあとでねって、心から言ってもらえることが嬉しい。
僕が、ここにいていいんだって。
僕の存在を認めてもらえたってことだよね。