きみのおと


「千秋くん、三者面談今日なんだよね?」




放課後になって、自分の席に座って待っていた僕にしぃちゃんが声をかける。
僕はコクリと頷いて見せた。




「千秋くんのお母さんに、挨拶したいし私も待っててもいい?」



しぃちゃんにそう言われ、僕は頷いて答える。
そんな風に、思ってもらうなんて嬉しい。




「げ、お前、外堀から埋めていく気かよ。こわー」

「ちょっと!どういう意味よ!」


僕の前の席の芹川くんがチャチャを入れてくるのはいつものことで。
外堀から埋めていく、っていう言葉の意味はよくわからないけど楽しげな雰囲気に笑う。




「なになに?」

「あ、亜衣。芹川くんが相変わらず酷いこと言うの」

「またやってんの、二人して。仲いいんだから」

「「仲良くない!」」



そうやってハモっちゃうあたり、妬けちゃうくらい仲がいいと僕も思う。




「てか、なにしてるの?」

「千秋くん、今日が三者面談なんだって」

「へぇ!久賀くんのお母さん。すごい気になる!」




榎並さんもそう言って盛り上がる。
そういうものかな?


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