きみのおと


でも、確かに。
僕もしぃちゃんの両親は気になるかも。

しぃちゃんをこんな素敵な人に育てたのはどんな人なのかなぁとか。



「もうすぐなの?」



榎並さんにそう聞かれ、僕はノートを取り出した。




『うん。2番目だから、もうすぐ来るって連絡来た』

「へぇ。しぃちゃんは会ったんだよね?お見舞いの時」

「うん。雰囲気がね、そっくりだった。とっても素敵なお母さんだったよ」



自分じゃよくわからないけど、そっか、僕はお母さんに似てるんだ。




「そんな事よりよぉ」

「そんな事って!」

「どうでもいいし。こいつの親とか。・・・おい久賀。明日時間つくれよ」




芹川くんが心底興味なさそうな態度の後、僕に詰め寄った。
明日?
なにがあるんだろう。



「あそこのパン屋、メロンパンの新メニューが出るらしい。抹茶味のやつ。買いに行くぞ」

「え!いいな!私も!」

「うっせ。人数多いとモノが少なかったら面倒だろ。お前は来なくていい」

「ずるい!」




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