きみのおと
それって・・・。
僕の事を、誘ってくれてるってことだよね。
芹川くん、僕の事あまりよく思ってなさそうなのに。
一緒にいてくれるけど、喋らないことを煩わしいときっと思ってるはずなのに。
嬉しい。
『うん。絶対行きたい。メロンパン好きだし』
芹川くんと、一緒に行きたい。
そう思ったけど、それは書けなかった。
「ちーくん?」
呼びかけられてハッとする。
お母さんの声。
顔をあげて視線を向けると、伺うように体を傾けるお母さんの姿。
「げ。マジ似てんな」
芹川くんがボソッと呟く。
「あの、みなさん・・・」
お母さんが皆を見て、呟く。
「あの、榎並亜衣です。こっちは芹川柊二くん。千秋くんの友だちです」
「この間はありがとうございました」
榎並さんとしぃちゃんが続けて挨拶をしてくれる。
当たり前のように友だちといってくれたことに、心が温かくなった。