きみのおと
「どこの大学とか、学部とかそう言うのは全く考えてないのか?」
僕はまた頷く。
慌ててノートを取り出してそこに想いをつづった。
『学校って場所が苦手だったから、最近まで就職にしようと思ってたんです。でも、友だちができて、学校って場所が前ほど苦手じゃなくなったから。進学っていう道も、考えてもいいのかなって思って』
「・・・そうか。そうだな。興味があるなら頑張れ。サポートはする」
否定、されなかった。
そのことに僕はホッとして嬉しくなる。
「まだ時間はあるから、自分が何をしたいのかそれができるのはどこなのか。ゆっくり考えていけばいい」
先生の言葉に、僕は強く頷いた。
自分の歩いて行く道が見えた。
自分で選んで、それを認めてもらえて。
嘆いてばかりでは、きっと見えなかった道。
きっと、立てなかった今。
僕は、変わっていけるかな。