きみのおと


「そんなことがあったんだね・・・」



でも、やっぱり二人は優しくて。
昨日芹川くんに説明した時の紙を読んでもらうとポロポロと僕のために泣いてくれた。



「ひどい・・・。千秋くん、なにも悪くないのに。女々しいなんて、そんなことない、優しくて純粋で、とってもいい人なのに・・・!」

「そうだよ。久賀くん、傷ついて当然だよ・・・」



二人なら、きっと優しい言葉をくれるって思った。
でも、今まで言い出せなかったのは、僕が思い出すのが怖かったから。
少しでも、否定されるかもしれない、その思いが拭い去れないまでは話すことができなかった。


でも、芹川くんに話せて、僕の事を迷惑だって思ってると思ってた芹川くんの想いを知って、勇気を出すことができて。
僕のすごく自信になったんだと思う。




『僕と、筆談でも話をしようとしてくれるみんなには、ちゃんと話したかったんだ』

「そっか。あいつは?芹川くんはよかったの?」



涙をぬぐいながらしぃちゃんが言った。
僕はコクリと頷いて、ノートに書く。



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