きみのおと
「芹川くんなんてね、使ってやればいいのよ!ケンカが強いだけが取り柄なんだから!」
「ふふっ、そうだね」
二人もまた、同じことを言う。
僕のために、そういう彼女らに。
僕は何ができるだろう。
ああ。
考えても、なにも浮かばないや。
僕にできることなんて、きっとちっぽけで。
与えられるものが大きすぎて返せそうにないや。
でもいつか。
強くなって、きっと、皆を護るから。
僕も、護るって、胸を張って言えるようになるから。
暗闇だった世界から抜け出す勇気をくれた君たちへ。
僕は、なにを与えられるだろう。