きみのおと


例え妬みだったからって許すことなんてできないし、トラウマは消えないけど。
僕の周りに、僕を認めてくれるみんながいるから。


僕は、僕でいてもいいんだって思える。



「久しぶりに声だしたら・・・疲れる」

「情けねぇなぁ。リハビリだリハビリ。こっからパン屋までしりとりでもして帰るか」

「しりとりって、子どもみたい」

「うっせぇ!嫌ならやんな」

「やるわよ!じゃあ、久賀千秋の“き”からね!」




はじまったリハビリを込めたしりとりが無性に楽しくてはしゃいだ。
こんな日が来るなんて思わなかった。



小さな一歩。




それでも、僕にとっては大切な一歩。





皆と楽しく過ごすための、一歩だ。





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