きみのおと
ガタガタガタ!!!!
柊二くんの隣の席が音を立てて吹っ飛んだ。
ピシッと空気が張り詰めたように静かになる教室。
「コソコソ、言ってんじゃねぇよ。言いたいことあるなら堂々と言いやがれ、卑怯者が。正々堂々相手してやるよ!」
ドスのきいた声が教室に響き渡る。
は、迫力!!!
最近、すっかり忘れてたけど、柊二くんって恐ろしく有名な不良だった。
すっかり教室の空気は怯えて、さっきの声は消えてしまった。
「わ、私が怒ろうと思ってたのに」
ボソッと柊二くんにそう言う。
すっかり、いいところ取られちゃった。
「怖がられるのとか、俺の十八番だろ。最近たるんできたからな。ここらで一度知らしめとかねぇとな」
「なにその理屈・・・」
でも。
柊二くんなりに、千秋くんを護ろうとしたんだってわかる。
これが柊二くんの護り方で。
千秋くんの事、ちゃんと認めてるんだよね。