きみのおと
千秋くんが他の女の子にとられちゃいそうで怖かったの。
友だちでいい、そう思ってたはずなのに欲深くて嫌になっちゃう。
千秋くんにもっと自信がついて、誰とでも自然に話せるようになったら・・・。
私から離れていっちゃうのかな。
私より、もっと仲いい子が現れて。
その中に、好きな子が出来たりして。
やだ・・・。
そんな事を考えたら、すごく嫌すぎる。
私、こんなに独占欲強かったんだ・・・。
「ねぇ、千秋くん。今度の休み、皆でどっかいかない?」
「・・・どっか?」
「うん。遊園地とか!中間テストも終わったし。そうこうしてたら期末がくるしさ。そのまえに」
楽しいことをしたい。
本当は・・・二人で遊べたらな・・・なんて。
贅沢だよね。
「・・・うん」
千秋くんが嬉しそうに笑う。
その顔が見れるだけで、幸せだ。