きみのおと
とても、仲よさそうに見える。
どういう知り合いなんだろう。
多分、同じ学校の子じゃないよね。
だって、亜衣にも柊二くんにも反応はないし。
「小学校卒業して以来だよね」
「・・・うん」
「私が転校しちゃってから、最初は連絡取ってたのに、急に連絡取れなくなって気になってたの」
「・・・そっか、ごめんね」
小学校というフレーズに、小学校の同級生ってことはわかった。
転校ってことは、同じ中学ではなかったってこと。
中学で千秋くんはいじめられてた。
この子はそのことを知らないんだ。
いじめられる前の千秋くんと知り合いだったってこと・・・?
「・・・邪魔だから、先行ってよっか」
私はそう言って亜衣たちを連れて去ろうとする。
邪魔だからじゃない。
私が見たくないからだ。
「あ、うん。千秋くん、私たち先にコインロッカーのところにいってるね」
亜衣が私をチラリと見ると、私の気持ちを汲んでくれたのか千秋くんにそう声をかけてくれた。