きみのおと
そんな私の醜い感情がどんどん露わになっていく。
それが怖い。
「そうだ、しぃちゃん。あの、もうすぐ期末テストでしょ?また一緒に勉強・・・」
「いい」
「え?」
「いい。勉強なら一人でできるし。それに、亜衣もいるから」
ギスギスしたこの感情で千秋くんといたくない。
咄嗟に、そう言っていた。
「それに、放課後は伊永さんも待ってるんじゃない?待たせたらかわいそうだよ」
「え・・・」
「毎日千秋くんの事、待ってるみたいだし」
そう、本当に毎日。
それが私の心を抉っていくの。
こんな自分嫌なのに。
もっと、心を広く持ちたい。
千秋くんが変わっていくことを心から喜べるような。
そんな自分でいたいのに。
現実は、うまくいかない。
「しぃちゃん・・・」
「それでも困ったときは、お昼休みとかに教えてほしいな」
悲しげな千秋くんの顔が見れなくて、誤魔化すようにそう言った。
千秋くんはしばらく黙り込んだ後、寂しげに「わかった」って答えた。