きみのおと
教室の窓から校門を見つめる。
千秋くんが校舎から出てきたのが見えた。
それを待ち構えるように現れた他校の制服を着た人。
千秋くんに駆け寄って一緒に校門を出ていった。
「あれが、スマホの相手・・・か」
「え、わ!?亜衣!?」
私の肩越しに覗き込むように顔を出す。
どうして亜衣がここに?
部活に行ったんじゃ・・・。
「亜衣、部活は?」
「これから行くよ。お昼の話が気になって」
「・・・そっか」
「なんで話してくれなかったの?」
亜衣が眉を下げ私を見る。
私は唇をかみしめ俯いた。
「自分のドロドロした感情をなんて話したらいいかわからなかった」
そう、私は正直に話した。
亜衣は小さく息を吐くと、私の隣に立ちコツッと頭を私に寄せた。