きみのおと
「うぅ~!嬉しいよぉ」
声をあげ、泣き出してしまう。
だって、好きって。
千秋くんが私をって。
「ぼ、僕も嬉しい。だって、しぃちゃんが、僕の事好きって言ってくれた」
「うん。好き。千秋くん、好き」
「こんなに幸せな事、ないよ」
幸せ。
さっきまで、不幸のどん底だって思ってた。
柊二くんに言わせればきっと、悲劇のヒロインぶってた。
それなのに、今は誰よりも幸せだって思う。
世界中の誰よりも、私がきっと幸せだって。
「じゃ、じゃあ、私、千秋くんの彼女になれるってことだよね?」
「なってくれるの・・・?」
「え、ダメなの?」
「だめじゃない!」
浮かれてしまう。
本当に単純すぎる私。
それでも今は、この幸せに浸っていたいと思うのだ。