きみのおと





彼女―――――





なんて素敵な響きなんだろう。
私、千秋くんの彼女になったんだ。




家に帰って一人になって。
ご飯もお風呂も済ませた夜。

ベッドに横になって今日を振り返る。




昨日亜衣と話して、自分の気持ちにちゃんと向き合った。
勇気を出して久しぶりに二人でパン屋に行こうって誘った。

浮かれた矢先、伊永さんの登場で一気にどん底に落ちてまさかの号泣。



逃げた私を千秋くんが追いかけてくれて。



喚き散らして、溢れた想いで好きだって言ってて。




そしたら、千秋くんも私を好きって言ってくれて。
嬉しくて、また泣いて。


家の側まで送ってもらった。
千秋くんは、スマホで伊永さんに謝りの連絡を入れていた。





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