きみのおと

｢ねぇ、千秋くん。あの、同級生には・・・｣



亜衣が心配そうに尋ねる。




｢あ、うん。ちゃんと連絡は入れたんだ。しぃちゃんと付き合うことになったから、これからは二人で帰ったりとかはできないって｣

｢へぇ！千秋くん、そんな事言えるんだね｣

｢お前、こいつをなんだと思ってるんだ｣

｢え、じゃなくて。千秋くん優しいし、そう言うの言い辛いと思って｣




亜衣がそう言って慌てて訂正する。
でも、私もまさかそんな風に言ってくれるとは思ってなかった。




｢うん・・・。たぶん、直接だとうまく言えないと思って・・・。ずるいけど、メールで送ったんだ｣

｢でも、少なくともちゃんと事実は伝わってると思うし、偉いよ！」

｢ありがとう・・・｣



正直、不安はある。
あの子が簡単に引き下がるとは思えなくて。

だって、ここまであからさまに行動してたんだもん。
千秋くんへの気持ちだって隠そうとしてないように見えた。




大丈夫、かな・・・。