きみのおと

voice ６

しぃちゃんとデート

しぃちゃんと、両思いになれた。
それは、本当に奇跡みたいで。


しぃちゃんと出会ってから僕は、幸せな事ばかりだ。



自分の声で、自分の言葉でまた話せるようになったのも。
好きだと思える人に出会えたのも。



想いが通じ合う歓びを感じることができたのも。
全部、全部、しぃちゃんがいたから。
しぃちゃんのおかげ。





｢なんだか、本当に見違えるわね｣

｢そうかな？｣



夕食時、お母さんと向かい合ってご飯を食べているとお母さんは嬉しそうにそう言った。
こうしてお母さんと言葉を交わせる今が、本当に幸せ。

お母さんも、辛そうに笑うことはなくなった。




｢本当に、いいお友達に恵まれたのね｣

｢うん・・・。あの、それとね｣




きっと僕は、浮かれてる。
こんな風にすぐに親に報告するくらいには。



｢しぃちゃんと、お付き合いすることになったんだ｣





きっと、すごく浮かれてる。