きみのおと
「なんだ、初デートか。お前ら」
「えっ!?あ、そ、そっか・・・!」
茶化すような柊二くんの声に、しぃちゃんが声を上げる。
僕はドキドキと胸が鳴った。
「じゃ、じゃあ、二人・・・なんだね」
「う、うん。そのつもりだったんだけど・・・その、ダメかな?」
真っ赤なしぃちゃんの顔を見たらもうだめで、僕の顔にも熱が集まる。
こういうのって、男の僕がちゃんと引っ張らなきゃだめだよね。
頑張らなきゃ。
「お前ら、純すぎか」
「う、煩いわね!こういうの慣れてないんだから仕方ないでしょ!」
「楽しんできてね」
亜衣ちゃんも嬉しそうににこにこしながら僕たちを見る。
皆の前で誘うべきじゃなかったかも。
「い、いいよ。デート。私も千秋くんとデートしたい」
顔を真っ赤にさせて、しぃちゃんがそう言った。
嬉しくて顔を真っ赤にさせながら僕は笑う。