きみのおと
「おまたせ、ごめんね!」
デート当日。
待ち合わせの時間よりも随分早くついてしまった僕は、しぃちゃんが来るのを待っていた。
パタパタと駆け寄って来る足音が近づき、しぃちゃんの声が聞こえる。
「ううん。僕が早くついちゃっただけだから」
「ありがとう」
しぃちゃんの私服。
可愛いフンワリ女の子らしい白いスカート。
足元は少しヒールのあるパンプス。
「今日のしぃちゃん、とっても可愛い」
「えっ!?あ、ありがとう」
顔を真っ赤にさせてしぃちゃんが笑う。
本当に可愛い。
「い、いこっ!」
「うん」
照れくさそうなしぃちゃんは誤魔化すようにそう言う。
僕はクスクスと笑いながらしぃちゃんに合わせ、歩き出した。