きみのおと
「雫さんっ!いらっしゃい‼︎」
「お久しぶりです。おじゃまします」
家に着くと、お母さんの熱烈な歓迎が待っていた。
ちょっと恥ずかしい・・・。
こういうのも、僕をいじめていたあの人たちから言わせると、女々しいとかマザコンとか言われるんだ。
「千秋くんのお母さんに会いたかったんです。今日は呼んでくださってありがとうございます」
「私も雫さんに会いたかったの。せっかくのデートなのに邪魔してごめんなさいね」
「い、いえ」
しぃちゃんは恥ずかしそう。
お母さんは構わずずいずい迫っていく。
「お母さん、しぃちゃん困ってるから」
「あ、ごめんなさいね。二人ともご飯ができるまで部屋にいってなさい」
「す、すみません」
仕方なく僕がお母さんをとめると、しぃちゃんは躊躇いがちに僕を見た。