きみのおと
「千秋くんのお母さんって、明るくて可愛らしい人だよね」
「そうかな・・・ちょっと恥ずかしいんだけど」
僕の部屋で座って話をしていた。
しぃちゃんは少し落ち着かなそうにそわそわしていて。
それが僕にも伝染するように、僕の心も落ち着かない。
僕の部屋にしぃちゃんがいる。
その事実だけで、とてつもなく緊張するのだ。
「千秋くんらしい部屋だよね」
「え、あ、そ、そうかな?」
緊張が高まり、どもってしまう。
緊張が丸わかりで恥ずかしい。
「なんだかね、夢みたいなんだ」
「え?」
緊張した僕を見てクスッと笑ったしぃちゃんはそう言いながら僕を見た。
「今、私は千秋くんの友だちとしてここにいるんじゃなくて、千秋くんの彼女としているんだなぁって」
「そ、そうだね」
「千秋くんのお母さんも千秋くんの彼女として迎えてくれてるんだって思ったらなんだかこそばゆいな」