きみのおと


「ご飯よー」


お母さんの声が聞こえてくる。
僕たちはハッとして、リビングに向かった。




「わ、すごいですね!」

「はりきっちゃった」



テーブルの上にひろげられた豪華な料理の数々。
張り切り過ぎだよ、お母さん!



「美味しそう!ありがとうございます」

「好きなものを好きなだけ食べてね」

「はい」



しぃちゃんは明るくそう言った。
席に着き食べ始める。


しぃちゃんは食べるたびに美味しいって笑いながら食べる。
そんなしぃちゃんを見て、お母さんも嬉しそうだ。



「今日はなにをしてたの?」

「そ、そんなのなんだっていいでしょ」

「映画見てました。千秋くんのチョイスが最高によくって、泣けて泣けて大変でした」



しぃちゃんは嫌な顔ひとつせず質問に答えてくれる。



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